【今市上砦】(長浜市)は難しかった、の巻

2021年12月15日(水)
今市上砦(いまいちがみとりで)は賤ヶ岳合戦の時に秀吉軍が築いた砦。
堀秀政の陣だった東野山城の西北に位置する。
つまり、秀吉方の砦としては一番北の端の最前線の砦と言ってよい。
賤ヶ岳合戦は別名砦合戦と呼ばれていて余呉地区に両方の陣営の砦がたくさん築かれた。

①両者がぶつかる最前線の砦ということ、
②優れた縄張りとして知られる東野山城の支城、出城ということ
なので、
厳しい緊張感を得られる砦に違いないと思い、訪ねました。

北陸自動車道の東野のガード下の狭いトンネル(車一台通るのが精一杯)を越えて坂を上ると


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10時42分、「八幡神社


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入口横のスペースに駐車した。


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ちなみに神社東側の林道は、東野山城と繋がってるので時間があれば両方の城跡探索をオススメします。

神社に参拝して境内の西へ向かう。


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東野豊前守の墓の解説板がある。
東野氏は常陸佐竹氏の系統だと記載されてる。
今市上砦の原型はこの地元の東野氏が築いたのかもしれないですな。


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石段を登ると左手の尾根先端部に墓があります。


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この尾根の下には法照寺が。

↑墓の向こうに寺の屋根が見えてる

 

反転して尾根を登ります。


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歩きやすい登山道は最初だけ、

後は尾根を直登りしたが、尾根の東側に堀底のような道があり、これは砦跡まで繋がってるので堀底道を登ったほうがわかりやすいかも?

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↓これより城内、【西陣
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等高線400m付近から遺構があらわれる


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砦は西陣と東陣の2つの曲輪に分かれてる


堀底道の西側に土塁に囲まれた長方形の曲輪があり「西陣」と呼ばれる。
薄い土塁で、最初はよくわからなかった。
縄張り図が無ければ見逃すような薄い遺構です。

○付近が虎口
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↓曲輪内部は自然地形の緩斜面
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↓虎口わかりにくい
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↓土塁外側の堀底道
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この西の尾根にはこれまた薄い堀切がある。


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これもわかりにくい…

 

気を取り直して

東側の堀底道に沿ってさらに登ると


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【東陣】本丸でしょう。
こちらは真四角の曲輪で土塁に囲まれてます。
特に北側の土塁は明瞭で下の段が付属するので櫓台と思える。


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北西と南東に虎口があるが、南東が本来の虎口で、北西側は違うとか?


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この虎口から南東尾根を下ると
土橋のある堀切があらわれる。


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↑土橋を堀切から見上げてる
これが一番の見所かな?

 

主郭の北側の土塁の背後にも堀切がある。


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堀切の東側は竪堀としてはっきりしてるが西側は薄くてイマイチ。

とりあえず、三方の尾根を堀切で切断する防御になってます。


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この先は長土塁がある

遺構はここまで。

全体的に遺構が薄くて、素人の我が輩には難度の高い城跡でした。

はっきり言って縄張り図がなければ、見逃して素通りしてしまうだろうな…

 

下山は西陣の堀底道を下りました


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12時17分、法照寺。


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石段を降りて


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神社の鳥居へ


以上、おしまい。

これにより、東野山城をとりまく出城ともいうべき溝谷砦、菖蒲谷砦、そして今市上砦を全部制覇できました。


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遺構としては本丸ともいうべき東野山城は最高の縄張り。

その次に「菖蒲谷砦」。

土塁、堀切など技巧的に素晴らしいものがある。さらに下に長尾根土塁が2つあり最下部に土塁囲みの砦が付属していて、色々と楽しめますよ。


溝谷砦は背後に堀切、三段曲輪という単純な縄張りです。

 

時間があれば、全部セットで1日で探索できると思います


Φ(*^ひ^*)ΦΦ(*^ひ^*)Φ

これにて昨年度の湖北湖西の山城探索はおしまい。

この後、クリスマスに大雪となり春の雪解けまで北へ行くのは無理になりました。

北部の冬は雪があるので山城探訪期間は極めて限られてる。

難しいですね。

 

で、真冬は雪の積もらない甲賀、伊賀、伊勢へ行くしかないのです

 

馬《●▲●》助ヒヒーン♪